スターダスト

北海道のとある人が雑記を置く場所

旅行の話(行き先:宮城県)

7月下旬、宮城県に行ってきた。

いつものようにライブ遠征を兼ねて、である。

下手な写真を交えて記録していく。

 

宮城に行くのはおよそ5年振り。

前回は2019年10月、HI-HATというライブハウスに行った(今はもう無い)。

 

今回は平日仕事を終えてから、夜の便で仙台空港→仙台駅へ。

仙台駅

外と隔たれていないエスカレーターがあったし、狭い路地もいくつかあったので、きっと冬の雪は少ないのだろう。

22時すぎに着いたので、この日はホテルにチェックインし就寝。

 

翌日、最高気温は34度予報。

からしんどい暑さだが、5年前に行けなかった、せんだいメディアテーク(設計:伊東豊雄)へ。

せんだいメディアテーク

せんだいメディアテークからの眺め

7階(たしか)まで上がって見えた景色は、なんてことないビルやマンションだったけれど良かった。

館内の螺旋階段

この写真では分かりづらいが、真上から撮るにはカメラの落下の恐怖がある美しい螺旋階段。

下の階にいくにつれて形が変化していて面白い。

あと、エレベーターがガラス張りになっていて、乗ると中から各階の移り変わりが見られる。

旅行先なので借りることはできないが、併設されている図書館で本を探して、地元民の雰囲気を味わった。

311の時の写真が館内にいくつか貼ってあり、当時の惨状が伝わってくる。

館内はかなり暑かった。。。

1階の雑貨を扱っているショップ、売られている商品があまり見かけないラインナップで興味深く見た。

バッジを1つ購入。

 

暑かったのと、夜のライブに備えてホテルで涼むことにしたので、この日の散策はこれで終了。

 

翌日、更に図書館に行ってみようと思い、多賀城市へ。

電車は、乗る時も降りる時もボタンを押してドアを開けるスタイル。

北海道の札幌周辺とは少し違う。

多賀城駅

多賀城市立図書館

市立図書館にはスターバックスが併設されており、蔦屋書店と図書館を自由に行き来できる。

蔦屋書店で売られている本のラインナップは少なめで残念だが、飲み物を飲みながら、図書館でかなりの数の本を読むことができるすばらしい施設。

 

図書館では文學界を読んだ。

西村賢太特集が、のけぞりそうなくらい面白かった。

 

なお、こちらの図書館は2019年に浸水被害に遭っているようだ。

地震といい、水害といい、大変だなあ。。。

多賀城市立図書館の廊下

おそらく本の日焼けは避けられないだろうが、廊下の眺めは大変すばらしい。

 

お昼は、地元のサラリーマンが行くらしいお寿司屋さんへ。

ん寿司

外で30分以上並んで待った。

味はいたって普通だったが量が多く、地元民の雰囲気が味わえてよかった。

 

多賀城市は、北海道でいうと岩見沢市くらいの規模のようだった。

駅のすぐ近くに「砂押川」があって、自然豊かな都市だった。

城は跡地しかないらしい。

今回行った日が定休日の、行きたかった店があと2軒あるので、なるべく早くまた訪問したい。

 

次は陸前原ノ町駅へ移動し、5年前にも訪問したProceed Music Storeへ。

外観の写真を撮るのを忘れた。

外を歩いているうちに溶けてしまうんじゃないかと思うくらい暑かった。

Proceed Music Storeのショッパー

レゲエのMIXCD等を購入。

仙台市周辺はレコ屋が豊富だと聞いているが、今のところProceedにしか行ったことがない。

次回は他の店も覗いてみたい。

 

夕方の便で仙台空港から北海道へ戻った。

仙台駅のロッカーは沢山あって困ることはなかったが、暑い中、預けたロッカーを探すのが大変だった。

コロナ禍を経て、人が多いところに行くのに若干の抵抗を感じるようになってきていて、仙台市よりも多賀城市のほうが楽しかった。

北海道からだと東京に行くよりも近くて安いし(鉄道で行くにはまだハードルが高い)、また何かのライブ遠征などで気軽に行きたいな。

読んだ本:こんな女房に誰がした? きみまろ人生劇場

著者の哲学に触れられる一冊。

安住紳一郎氏の解説が読みたくて買った。

 

哲学については、確かにそうだと思う部分もあれば、少し古いかなと思う部分もある。

今も精力的に活動しているけれど、漫談の内容は以前から変わっていないのだろうか。変わったのだろうか。

この本に書いてある内容だと、戦時中を生きた世代には受けると思うが、2020年代の中高年が聞いたらどう思うだろう…と考えてしまった。

解説では言葉のリズムについて触れられていて大変面白い。

安住氏の文章が読める機会というのはなかなかないもので、絶版になっているらしいこの本を手に入れられて本当にうれしい。

 

かつて、実家に母が買った著者のCDがあり、私は「ぼちぼち墓地に行こうかな」という一節が好きでたまに家でつぶやいていたら、母に「(同居している)じいちゃん、ばあちゃんがいる前でそれを言うのをやめなさい」と言われたことを思い出した。

 

 

 

読んだ本:アタラクシア

先日読んだエッセイが良かったので小説も買ってみた。

憎悪や病んでいる心情の描写が、鋭利な刃物のように切れていて大変すばらしい。ゾクゾクした。

「英美」の章で、英美が自身の母に対して、こんな思いを抱く。

十分な生活費とお小遣いとパッチワークとカルトナージュなんて永遠に何の役にも立たない気色悪いゴミみたいな習い事の金まで出してもらって、何の気苦労もなく生活しているくせに文句言うなクソババア。

清々しいほどの憎悪。

そんな言葉はないだろうけど、そう思った。

表題「アタラクシア」をググると、「心の平静不動なる状態のこと」と出てくるが、登場人物はだれもそんな状態ではない。

しかし、それが良い。

 

本書の特徴としては、筆者がフランスに住んでいたこともあってか、フランス語がいくつか出てくる。

あとは先述の引用を見ても分かると思うが、読点が少なくて、一気に読ませる箇所がいくつもある(しかし読みづらくはない)。

 

本書が良かったので、他の作品も読んでみることにする。

 

 

 

読んだ本:帆立の詫び状 おっとっと編

こちらの連載をまとめた2冊目のエッセイ。

 

すぐ読みたかったので、発売からすぐに書店で購入(普段は買うのが遅いし買っても積読になっていたりする)。

昨年の夏、札幌で行われたサイン会に足を運んでサインを頂いたが、その時に買った本をまだ読んでいないのはここだけの話。

あの時はサインだけでなくお話も少しできたし写真も撮ってもらえた。

 

帯にもなっている「死ぬまで遊んで暮らしたい」という言葉が良い。

ノーチラスの話を読んだあと、時計に詳しくない私は、「ほうほう、この値段の時計を買えるくらい稼いでいらっしゃるのだな」と値段を調べた後に思った。

 

私は時系列が古→新になっているほうが頭を整理しやすいので、たとえ順番がばらばらになっても、古→新で収録してほしかった。

あとは、今発売されている小説が、もっと文庫で出るといいなあ。

 

 

 

読んだ本:コンプレックス文化論

やたらとミュージシャンや音楽関係者が出てくるな?と思ったら、CINRA.NETで連載していたとのこと。

「親が金持ち」の章で出てくる篠原かをりという人が、小説を書く時に自分の経験がもとになっているので、旅行に行く話では飛行機のグレードが高い席の描写しかできない、なんて話をしていて、目からウロコだった。

 

インタビューが収録されているけれど、短いインタビューなせいか、筆者が描いているゴールというものがあり、筆者がそこを目指しながら無理やりにでも軌道修正していく雰囲気が感じられて、その部分だけは納得がいかなかった。

他はおおむね良かったと思う。

巻末のジェーン・スー氏との対談にて、スー氏が「自分の本のレビューに”しつこい”と書かれていることがあるんです。その意味がよく分からなくて。今回の砂鉄さんの本を読んで”あ、しつこいって、こういうことか”とわかった」というようなことを言っていて、確かに分かるな~と思った。

 

ところどころで、「○○という本では△△と書かれていた」とか「××さんは▽▽とテレビで言っていた」というような引用があって、引用元の幅の広さに驚いた。

筆者の他の本も読んでみたい。

 

 

 

読んだ本:拾われた男

2022年にドラマ化された映像を先に見ていたので、復習するような気持ちで読んだ。

そのせいもあってか、スイスイと読めた。

 

筆者のまわりに面白いことやトラブルがどんどん起きて、どんどん人生が転がっていく。

恋多き人生、キスシーンの撮影、兄のまわりの友人たちの優しさ。

「以前の形態のトムには戻らなかった」という一文が、本作で一番面白い。

 

「自伝”風”エッセイ」と書いてあるけれど、ほぼ実話だと受け取っていいのかしら。

 

 

 

旅行、解放

旅行に行きたいという気持ちが、パンデミックが明けたあたりから強くなってきた。

2020年は道内を少し。2021年はどこにも行けず。

2022年に岡山、2023年に山口、今年は東京、少し先にもいくつかの予定がある。

 

 

 

NHKの100カメという番組が好きでよく見ている。

2023年放送の「余命と向き合う人」は、涙なしには見られなかった。

放送後のブログを最近見つけて、日々の過ごし方・自分の人生について考えるにあたりとても参考になった。

www.nhk.or.jp

サワダさんという方の言葉が心に残っている。

「人生は有限です。人生一度きりだし、やらないともったいない。もったいないから、挑戦を諦めることはしたくない。だから、自分を抑え込むんじゃなくて、自分をどこかで解放しなくちゃいけない」