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微熱

武山友子さんの写真展「微熱」に行ってきた。

彼女のことを知ったのは二年前に写真展「甘い憂鬱」が開かれていた時に

偶然通りかかったギャラリーの前で、展示の名前に惹かれて中に入ったのが始まり。

その時はアクリル板による展示だった。

色づかいや目線に「甘さ」を感じ、

取り上げる被写体の質感やギャラリー内で流れる音楽に「憂鬱」を感じた。

素晴らしいと思った。

今回の展示に関して特に知らせやDMなどは受け取っておらず、

これまた前回と同じギャラリーを偶然通りかかって知った。

話を聞くと、昨年は写真展は開いていないとのこと。

もし見逃していたら・・・と思うとゾッとした。

彼女は、10年ほど前に、赤いカーテンの部屋にお住まいだったそう。

その頃に撮った写真の、どう表現したらいいか分からないようなもどかしさを伝えるべく

それらをまとめて10年越しに今回の展示に至った、とのこと。

入口の赤いカーテンを以って、ギャラリーを部屋と見立てている。

赤色が強い印象を残す。

中に展示される写真は、前回と違いアクリル板のものはなく、

額縁に入っているもの、ポストカードサイズのもの、など。

パソコンからプロジェクターで投影される写真もあった。

そういえば、私が今使っているカメラを買ったのは、彼女の展示を観に行った後に

何となく、写真が撮りたいなと思ったのが動機だったな、と思い出した。

ご本人が在廊されていて、お話することができた。

二年前に私が展示を観に行ったことを、なんと覚えていてくださった。

前回買わなかった「甘い憂鬱」のフォトブックを購入。

売り物ではなさそうだったが、今回の「微熱」のフォトブックと、

カモメを追いかけたフォトブックも良さそうだった。

カモメのほうには詩も時々書いてあって、

私が昔使っていたメールアドレスの文字列が偶然にも書かれていてドキッとした。

「自分の好きなこと、嫌いなことも全て、簡単に否定されたくない」という詩が一番良かった。

そして、私と一緒の時間帯にいたお客さんだと思っていたかたは、ご両親と旦那さんだった。

娘さんの活躍を見守るご両親のお話、そして旦那さんやギャラリーの担当のかたと色々な話をした。

あの時間帯に行って良かったと本当に思う。

今度、キスマークをシルクスクリーンの版画にした作品を制作する予定があるそうで

色んな人のキスマークを集めているとのこと。

口紅をお借りして、私も跡を残してきた。いささか恥ずかしいが・・・。

素敵なご夫妻だった。

会期中にまた伺いたいと思う。

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武山友子 写真展 「微熱」

於 ギャラリー創

札幌市中央区南9条西6丁目1-36

地下鉄南北線中島公園駅1番出口を左へ、徒歩5分

開廊 11時~18時

12月14日(日)まで開催、最終日は17時まで