林務官の取材による一冊。
北海道に住む者として、留萌管内苫前町でおよそ100年前にこの襲撃事件があったことは知っていて、本を読んでみることにした。
生々しい記述が多い。
当時はヒグマに関するしっかりとした知識は無かっただろうから、昔からの言い伝えを守ったり祈祷を行ったりすることでヒグマを遠ざけようとしていると感じた。
後半に出てくる、三毛別とは別の、千島列島幌筵島(ぱらむしるとう・現在はロシアが実効支配)でのヒグマ体験談が本当に怖かった。
近年、熊が人里に現れるニュースをよく聞くが、駆除すべきという意見がある一方で「熊がかわいそう」「動物との共存をすべき」というような意見もあると聞く。
どちらが正しくてどちらが間違っていると簡単には言えないが、人里に下りてくる熊について考える時、この本が参考になると思う。