元千円札の顔。
名作なのに読んだことがないなと思ったので読んでみた。
テンポが良く読みやすかった。
何かの本で「漱石以前と以後で日本の文学は変わった」というようなことが書いてあって、漱石以前を今のところ読んだことがないので分からないが、今回読んだのは平成に入ってからの改版で、仮名遣いが直されていたので現代とそんなに変わらず読みやすかった。
「100秒でわかる名作劇場」に清は出てこないが、清を慕う気持ちの表現に、自分も「誰かを大切に思っている」ということをこんな風に表現できたらいいなと思った。
表現の幅、語彙を広げるために(それだけではないが)本を読む。
(略)やっぱり清の事が気にかかる。その時おれはこう思った。こうして遠くへ来てまで、清の身の上を案じていてやりすれば、おれの真心は清に通じるに違ない。通じさえすれば手紙なんぞやる必要はない。