「元彼の遺言状」も以前読んでいて、こちらは文庫が出るまで待って購入。
3日くらいであっという間に読めた。
普段ミステリーを好んで読むわけではないが、登場人物が多過ぎるということもなく、読みやすかった。
普段あまり本は読まないという人にもおすすめできそう。
私が法律事務所勤務なせいか、著者の弁護士の仕事に関する小説は読んでいて楽しい。
といっても私は弁護士が一人しかいない事務所なので、作中の「山田川村・津々井法律事務所」のような"ローファーム"ではないが、業務についてイメージしやすい。
著者が所々、法律や「弁護士が『必ず〇〇できます』と断言するのはおかしい」と書いてあるところなんかは、実務の雰囲気が垣間見えて「そうそう、そうだよね」と納得しながら読める。
良くない点を挙げるとするなら、巻末の解説がつまらないこと。
これは「元彼の遺言状」の時もそうだった。
まだデビュー間もない作家だから仕方ないのだろうか。
ただあらすじをなぞるのではなく、もっと違う視点から見つめてくれるとなお良い。