著者が収監されていた2019年10月から仮出所する2021年12月までの日記を掲載した一冊。
獄中記というものは初めて読んだが、あちこちに刑務所用語のようなものが出てくるものの比較的読みやすかった。
そして思っていたよりもボリュームがあり、読み応えがあった。
以前の著書「悪党の詩」も読んでおり、著者は確かに日本の法律には違反してしまったが、自分の意見に一本の筋が通っており、本を読んでいる限り、悪い人ではないと思う。
「ラッパーにとってスキャンダルは商売道具の一つみたいなモノ」
「我々のようなラッパーはこのトラブルとどう向き合い、どう乗り越えるかということも含めて自身のHIPHOPなのだということを決して忘れてはいけない」
このように、著者の、与えられた物事をポジティブに捉え乗り越えようとする姿勢が好きだ。
特に好きな一節は、「俺の家族の話」というドラマを見た時の反応。
著者が読んだ本や見た映画についての記載が多くあったので、自分の知らないものにチャレンジしてみようと思ったってハナシ(これはオマージュ)。