保育園に通っていたころ、外にお散歩に行くときは、歩道を2列で歩くルールがあり、なおかつ、車道側には上級生が歩くようにと決められていた。
とあるお散歩の日、年長「あお」組だった私の隣には、一学年下の年中「きいろ」組の男児。
しかしこの男児は、4歳にして小学3年生に見えるくらい体格が大きい子だった。
私は一般的なサイズの5歳児である。
すると保育園の先生より、年長の私が歩道の内側、年中の男児が車道側を歩くようにと指示があった。
私はあまり納得がいかなかったが、仕方ないので先生の指示に従い、歩道の内側を歩いた。
時が経ち、私は彼と違う小学校と中学校に通っていたが、私が高校2年になったころ、この当時4歳の男児が、陸上競技に強い遠くの町の高校に進学したと聞いた。
私の親と彼の親同士が同業者なので、子に関する話が自然と耳に入ってくるのである。
そして彼が高校2年生の時、北海道大会で上位に入る健闘を見せ、インターハイの円盤投げ種目に出場、見事5位入賞。
翌年、彼が高校3年生の時、北海道大会で優勝し、同じくインターハイの円盤投げ種目で2位に輝く。
あの4歳の男児がこんなに活躍するなんて、と非常に驚いた記憶がある。
現在の彼の動向は特に聞いていないので、陸上を極めているのか、それとも家業を継いでいるのか、それとも別の分野なのかは分からないが、きっとめざましい活躍をみせているに違いない。