これは絶版になっているいわく付きの本で、図書館で借りて読んだ。
Wikipediaによると、貸し出しが中止された図書館もあるらしい。
出版後、家庭裁判所や法務省から、プライバシー侵害の問題を指摘され、増版は中止されていたとのこと。
こちらに詳しく載っている。
本の内容はほとんどが供述調書を引用して構成されており、リアルすぎるくらいリアル。
決行の日、家に油をまくところは、まるで映像が目の前に見えるかのようだった。
「パパ」の異常な教育方針(ほぼ虐待だと思う)は、「パパ」の育った環境からも大いに影響があると思われる。
異常な教育方針のあまりの辛さに、私は「僕」に同情した。
「パパを殺すことに決めた」けれど、「パパ」が不在時に放火していたり、逃げる途中で盗みを繰り返したり・・・不可解な行動だなと思うところもある。
ノンフィクションが読みたい、という欲求は満たされたが、この本の内容のほとんどに門外不出の供述調書が使われているので、果たして出版されて良かったのかは少し考えてみたが分からない。
最近出版された「母という呪縛 娘という牢獄」に通ずるところもあると思うので、両方を読んでみるのがいいかもしれない。