死刑囚の手記がまとめられた恐ろしい一冊。
人を殺める場面についてかなり生々しい描写があるためこの本はR18にするべきだと思うが、本にはそういう設定はできないのかな。
生まれた家、育った環境によって人間の人格は大きく変わると思う。
893の家に生まれたこの死刑囚は、元力士だったこともあり体つきが大きく、並みの人はパワーでは勝てないだろう。
殺された人たちもあまり抵抗していないようで、抵抗しても無駄だという気持ちだったのかもしれない。
もっとひどいのは死刑囚の兄(この人も死刑囚)で、自分は手を汚さず弟に「殺せ」と命令していて・・・恐ろしかった。
そして交際相手の女性は、この死刑囚のことを「何か悪さをしたんじゃないか」と疑いながらも健気に好いていて、全く共感できない。
読んでいて、ずっと「一体どういうことなんだ?」という疑問が消えなかった。
死刑囚になってしまったから、この一家の今の声を聞くことはできない。
もう二度とこのような残虐な事件が起きないことを祈るしかない。